リーダー常田大希の心境の変化とは
2017年の結成からかつてない勢いでファンを獲得している、今最も勢いのあるバンドKing Gnu。
2019年2月22日にはミュージックステーションにも出演し、一般リスナーにまでその圧倒的な存在感を知らしめました。
㊗️Mステ pic.twitter.com/okTGSb3m3h
— King Gnu (@KingGnu_JP) 2019年2月22日
今回はそのリーダーであり、King Gnuの全ての作詞作曲を手掛けている常田大希について解説します。
東京藝術大学出身(のちに中退)とアカデミックな音楽的知識を持ちつつも、ロック・ポップ・テクノ・ヒップホップなど幅広い音楽を吸収し、King Gnu独自の音楽として再構成しています。
彼はなぜ「個」を捨て、King Gnuを結成したのか。
常田の心境の変化を、「Srv.Vinci」「Daiki Tsuneta Millennium Parade」「King Gnu」の三つの視点から考察します。
「Srv.Vinci」としての常田大希
King Gnuの前身となるバンド、Srv.Vinci(サーヴァ・ヴィンチ)。
バンド名の由来は、「Srv.(=インターネットのサーバー)」と「Vinci(=レオナルド・ダ・ヴィンチ)」を掛け合わせたものだそうです。
2014年に、常田大希が東京芸大時代の友人である石若駿(ドラマー)を誘い結成しました。
その後2015年に常田を中心に勢喜、新井、191(井口)の新体制になります。
この時は井口は191という名前で活動していました。
暇人191の新企画始動!!
"思いつく暇人"こと191がまたまた思いついちゃいました。
今後いいねやリツイート、リプライをくれた方全員に191から動画でメッセージを送りつけます。
心してお気に入りせよ。 pic.twitter.com/NUsIk9HQLH— King Gnu (@KingGnu_JP) 2016年6月7日
2017年3月にはアメリカで開催された『SxSxW(サウスバイサウスウエスト)』JAPAN NIGHTに出演し、その後全米7カ所を回るツアーを行います。
Srv.VinciはKing Gnuとは違い、常田の「個」がより強調された、ソロプロジェクトのようなものでした。
また、結成当初は映像をより重視していたとインタビューで語っています。
この頃の常田は現在よりもアートの側面から音楽をとらえており、商業音楽に対する興味はあまりないように思われます。
Srv.Vinciの楽曲の特徴をまとめてみます。
圧倒的な情報量&前衛的でまさにアートといえる音楽
まず一聴してわかるのは、楽曲に含まれる情報量の多さ。
様々な音がぎっしりと詰め込まれている印象です。
現在のKing Gnuとは異なる音楽性でありながらも、ストリングスの積極的な使用や何でもありの「ごちゃ混ぜ感」は今のバンドに通じるところがありますね。
また、King Gnuとは明らかに異なるのは「万人受けしない」音楽である点です。
特にSrv.Vinci初期の頃は、日本人が好むようないわゆるJ-POP的なメロディではありません。
アートにも造詣が深い常田。
Srv.Vinciは、彼なりにアートを突き詰めた音楽だと言えるかもしれません。
King Gnuの代表曲"Slumberland"の元ネタ曲も
2019年2月22日のミュージックステーションでも披露した、彼らの代表曲ともいえる"Slumberland"。
この曲のもとになったのが、Srv.Vinciの1stアルバム『Mad me more softly』に収録されている"PPL"という楽曲。
"Slumberland"よりもテンポが遅いものの、サビのメロディ・歌詞はほとんど同じです。
"PPL"をライブで演奏していく中で楽曲が変化していったため、King Gnuのアルバム『Sympa』に"Slumberland"として収録することを決めたそうです。
現在、1stアルバム『Mad me more softly』はCDとしては廃盤になっているものの、デジタル音源で聴くことができます。
Srv.Vinci中期以降は現メンバー&「ウケる」音楽へとシフト
2015年に、Srv.Vinciに現在のメンバーが集まりKIng Gnuの原型が出来上がります。
音楽性にも大きな変化がみられるようになります。
日本人に聴き馴染みが良い「歌モノ」へとシフトしています。
現在のKing Gnuメンバーで最初に製作した曲は"ロウラヴ"です。
ギターのリフを発展させていくスタイルで作成しており、最初はサーフミュージックの雰囲気だったとドラムの勢喜は語っています。
比較的ストレートなロックでありながら、常田のセンスが伝わってきます。
しかし他のバンドとは一線を画す、芸術性・音楽センスは流石常田といったところです。
このような変化はボーカル&キーボード井口の加入が大きいでしょう。
日本人に広く受け入れられる井口の「きれいな」声により、Srv.Vinciの可能性がより広がったと言えます。
2017年アメリカで開催された『SxSxW』JAPAN NIGHTでのライブです。
1st アルバム『Tokyo Rendez-Vous』に収録されている"Tokyo Rendez-Vous"を演奏しています。
色気、グルーヴなど粗削りながら既に完成されていますね。
各メンバーを徹底解説した記事はこちら。
「Daiki Tsuneta Millennium Parade」としての常田大希
常田はSrv.Vinciの活動と並行して、自身のソロ活動も行っていました。
それがDaiki Tsuneta Millennium Parade(DTMP)です。
常田の「個」を突き詰めた音楽
結成初期のSrv.Vinciの延長ともとれるDTMPは、常田個人の音楽性を突き詰めたものです。
様々な音が詰め込まれており、ジャンル分けできません。
まさに「常田大希」というジャンルの音楽だと言えます。
インタビューでも「日本の音楽シーンを意識しなくなり、より自由になった」と語っています。
DTMPは日本だけでなく、世界に向けて提示された常田の音楽だと言えます。
まさに芸術。。
常田と親交がある3ピースロックバンドTempalayの"革命前夜"もリミックスしています。
King Gnuが好きなら、Tempalayもきっとハマるはずです。
現在、DTMP名義では1枚のみアルバムをリリースしています。
「とがったもの」「サイケデリック」を意識して、製作したという『http://』。
レコーディングには、Srv.Vinci結成時に在籍していた鬼才ドラマー石若駿や、King Gnuのベーシスト新井和輝も参加しています。
「King Gnu」としての常田大希
Srv.Vinciに現在のメンバーが集まると、常田はバンド名をKing Gnuに変更し、バンドとして新たなスタートを切ります。
King Gnuの名前の由来は、「春から少しずつ合流してやがて巨大な群れになる“Gnu=ヌー”のように、自分たちも老若男女を巻き込み大きな群れになりたい」という思いから名付けたとインタビューで語っています。
この名前の由来からもわかるように、King Gnuはバンドの方向性として「売れる音楽」を意識していることが分かります。
常田は「King Gnuの曲で大合唱を起こしたい」と語っていることからも明らかです。
大衆は「歌」を聴く。だから大衆の支持を得るためには「歌」を突き詰める必要があると考えていた常田にとって、井口の加入は大きかったでしょう。
一人で花見行ってるのかよ・・・絵になる男ですね。
曲の特徴としては、やはりSrv.Vinciよりもキャッチーでわかりやすい楽曲が増えています。
しかし、あからさまに売れ線の楽曲ではなく、流行を取り入れつつもKing Gnuオリジナルの要素もあり、バランスがとれています。
驚くべきは、常田の音楽に対する引き出しの多さ
「Srv.Vinci」「Daiki Tsuneta Millennium Parade」「King Gnu」という三つの音楽活動を通して感じるのは、常田の音楽に対する引き出しの多さです。
東京藝術大学でクラシックを学び、様々な音楽シーンに出入りすることでその多様性が培われています。
これから彼の音楽性がどのように変化していくのか楽しみですね。
また、King Gnuは2019年2月22日のミュージックステーションにも出演し、これからますます人気が出ることは明らかです。
常田は過去のインタビューでKing Gnuに固執するのではなく、各メンバー自由に活動していきたいと語っており、今後も常田のソロ活動は続いていくでしょう。
常田大希のこれからの成長に目が離せません。
常田のInstagramでの名言集はこちら。
2020年もKing Gnuの快進撃はとまらない!
2020年1月には、King Gnuのニューアルバム、『CEREMONY』が発売されます。
YouTubeで1億2000万回再生を突破した『白日』や、ソニーCMでおなじみの『Teenager Forever』などを収録した捨て曲ナシの最新アルバムは必聴です。
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