2ch掲載ホワイト企業から楽器メーカーに転職した結果
今回は楽器業界に少しでも転職・就職したいと考えている方に現実を突きつける内容です。
したがって、楽器業界で働いてみたいと考えている方は失望する可能性があります。
それでも楽器メーカーに就職したいという方に向けて、後半には私の経験を踏まえたおすすめの楽器メーカーへの転職方法を提示しています。
今回の記事は以下の方を対象にしています。
- これから就職活動を行う就活生
- 転職を考えている社会人
実際に楽器業界がどのような状況なのか、生きた情報を提示することで上記の方の参考になれば幸いです。
経緯
なぜこのような記事を執筆しようと考えたのか。
楽器メーカーへ就職することは、ギターやベースが好きな人にはとても魅力的に思えるでしょう。
しかし、当然ですが大変なこともあります。
その負の側面をきちんと認識したうえで楽器業界へ来ていただきたいという思いから、この記事の執筆を思い立ちました。
なぜ楽器業界に転職したのか
私は現在楽器メーカーに勤務していますが、前職はSE(システムエンジニア)でした。
SEというと「ブラックじゃないの?」と思われる方がいるかもしれませんが、一概にブラックだとは言えません。
私が就職した企業は、SEの中でもいわゆる上流工程(大元であるシステムの仕様を決める業務)を担当していたので、むしろホワイトでした。2chにもホワイト企業として掲載されているのを見たことがあります。
(一般的に下請けプログラマーなどの下流工程に行くほど労働環境は劣悪になる傾向があります)
就活後ホワイト企業に就職できた私ですが、仕事が退屈であることに嫌気が差し、就職して1年でその会社を退職しました。
その後転職活動を行い、楽器メーカーに転職しました。
楽器業界の現実
こちらでは私が楽器メーカーに入社して気づいた楽器業界の現実についてお話しします。
楽器業界への転職のメリット・デメリット
メリット
やはり一番は自分の好きなことに携われるということでしょう。
楽器業界も大きく分けると製造を行う会社と、企画・販売を行う会社の二種類があります。
どちらの仕事内容も基本的にはギターやベースとのかかわりがあります。
- 製造
製造系の会社は直接ギターやベースを作り出す仕事です。常にギターやベースに触ることができる、自分の手で生み出すことができるのは大きな魅力でしょう。
- 企画・販売
企画・販売系の会社は製造会社が作った楽器を販売する仕事です。また、新しい製品の企画も行います。
自分が企画した製品が世に出て、多くの方に演奏を楽しんでもらうのは非常に充実感があります。
デメリット
- 給与の低さ
まず第一に他業種に比べて給与が低いです。楽器業界にも当然価格競争があり、そのしわ寄せが企業で働く社員に及びます。
また、特に楽器業界は「好きなことに携わっているのだから給与は低くて当然」というやりがい搾取のような風潮があるのも給与が低い原因の一つです。
- 福利厚生の悪さ
上記の理由から福利厚生も良いとは言えないでしょう。
住宅手当や家賃補助等も出ない、もしくは出ても少額であるところは多いです。
- 休日の少なさ
企業によっては完全週休二日制ではないため、土曜日も出勤します。
年間休日が100日以下の会社もあります。
楽器業界の待遇に関しては、以下の記事でも述べているので、参考にしてください。
【楽器業界へ転職を考えている方へ】おすすめの転職活動
ヤマハなどの大企業へ転職するのは難しい可能性がありますが、中規模、小規模の企業であれば就職することは可能です(第二新卒含む)。
以下に転職を考える際のプロセスを提示します。
ほんとに転職する必要ある?よく考えよう
そもそも本当に転職する必要があるでしょうか。よく考えてください(特に大企業やホワイト企業で働いている場合)。
上記で述べた通り、特に楽器業界の労働環境は良いとは言えないので、その点は覚悟しておきましょう。
他のサイトを見てみると安易に転職をすすめる記事が山のように出てきます。
そのような情報に流されず、一旦立ち止まって考えてみましょう。
自分がなぜ転職したいのか、何のために転職するのかをよく考えてみると、今現在所属している企業で対処できることがあるかもしれません。
(例)上司が生理的に無理→部署の異動を申し出る
一旦転職したいと考えると、常に転職の考えが頭をよぎるようになります。
転職することですべてが解決するかのように錯覚するのです。
そのようなことはないです。一旦冷静になりましょう。
会社を辞める前に転職活動を済ませよう
冷静に考えた結果転職する決意を固めた場合、転職活動を行いましょう。
転職活動で重要なのはいかに冷静になれるかであり、焦りは禁物です。余裕を持って行いましょう。
勢いで会社を辞め、その時点で転職先が決まっていない場合収入が途絶えることになります。
収入がなくなると凄まじい勢いで貯金が減ります。自由に使えるお金が減っていくことは、頭で考える以上に自らの精神にダメージがあります。
「現状の不満を解決するために転職する」という目的が「安定的な収入を得るために就職する」という目的にすり替わってしまうのです。
以上のことから、転職活動は余裕を持って行い、退職する前に終わらせましょう。
何から始めればいいのか
転職サイト・転職エージェントに登録
まずいくつかの転職サイトに登録して情報を収集するのがよいでしょう。
他業種に比べると、転職サイトには楽器メーカーの求人は少ないですが、大手楽器メーカーであれば掲載されていることがあります。
また転職サイトに登録すると、転職アドバイザーとお話しすることができるので、楽器業界をはじめ様々な情報を入手できます。
参考までに私が登録した転職サイトをご紹介します。
転職エージェントの活用はかなりおすすめです。
業界職種に精通したキャリアアドバイザーからの転職活動アドバイスや、転職ノウハウなどの情報提供を受けられるため、転職活動を有利に進めることができます。
特に大手の転職エージェントは、ノウハウが確立されており、エージェントのレベルも高いのでおすすめです。
音楽業界・楽器業界に本気で転職したいのであれば、以下の転職エージェントには登録しておきましょう。
私も転職活動中に登録し、エージェントの方から有益なアドバイスをいくつも頂けました。
マイナビエージェント
公式サイト:https://mynavi-agent.jp/
転職エージェントならばこちらは外せません。
YAMAHAなどの大手楽器メーカーへの転職を希望しているのであれば登録必須です。
マイナビエージェントのみが保有する「独占求人」や、企業の採用担当者との太いパイプなど転職エージェント大手に登録しておくメリットは非常に大きいです。
またエージェントがいかにも「デキる人」といった感じで非常に頼りになります。
実際にエージェントの力で内定後の年収が数十万違うなんてことがざらにあるので、デキるエージェントが多いマイナビエージェントは非常に頼りになります。
登録はこちら(公式サイト)
※マイナビのプロモーションを含みます。
リクルートエージェント
公式サイト:https://www.r-agent.com/
リクルートエージェントも、マイナビエージェントと同様に業界大手の転職エージェントです。
求人数も多く、マイナビエージェントと比べると中小企業から大企業まで幅広い求人を取り扱っている印象です。
小~中規模の楽器メーカーも多いため、マイナビエージェントと一緒に登録しておけば幅広く求人をカバーできます。
また、面接の際に必要となる職務経歴書の作成や、面接対策なども親身になってサポートしてくれたので非常にありがたかったです。
とりあえず上記二つは登録しておいて、その他に気になる転職エージェントがあれば追加で登録するのがいいでしょう。
ハローワークで調べる
次にハローワークで調べます。
中小規模の楽器メーカーであれば普通に掲載されていることがあります。
ただし、この程度の規模の企業に就職するのはお勧めしません。ただ楽器メーカーに就職出来ればよいと考えているのであれば話は別ですが、労働環境は過酷ですので覚悟しましょう。
ハローワーク経由で応募する場合は、雇用条件、給与等を確認し面接時に担当者にしっかりと確認しましょう。
求人内容に虚偽の記載がなされている場合があります。
(例)ハローワーク上ではボーナスは2か月分の記載→実際はボーナスなし
【おすすめ】企業のWebサイトを調べ、直接電話しよう
目的は行きたい企業に入社することですから、手段を選んでいる暇はありません。
他サイトに求人広告を掲載するのは莫大な費用がかかるため、正式に求人をかけていない場合があります。
企業のWebサイトで電話番号を調べて、直接電話しましょう。
「いきなり電話して、怒鳴られたりしたらどうしよう。。。」と考えている方もいるかもしれませんが、安心してください。
礼儀をわきまえて電話する分には、絶対に怒られません。仮に理不尽な怒られ方をされた場合は入社する前にブラック企業であると分かってよかったと考えましょう。
電話をかけることで自分の熱意をアピールすることができますし、他のライバルも少ないためメリットしかありません。
企業名は明かせませんが、この方法で求人を出していない数社から履歴書を送ってくださいと言われました。
だめで元々です。直接電話しましょう。
【楽器業界を考えている就活生へ】おすすめの就職活動
「楽器に携わる仕事をするためには専門学校に行ったほうがいいのかな?」と考えている方もいると思います。
結論から言うと、楽器を作りたいなら専門学校に行くのがよいでしょう。
楽器作りは専門的な知識が必要であるので、専門学校で知識を習得するのは有効です。また、基本的には専門学校に向けて楽器メーカーは求人を出します。
有名なのはESPや中部楽器技術専門学校です。
楽器の製造ではなく、企画・販売を目指すのであれば専門学校卒である必要性はありません。
むしろ大学に進学して様々な経験を積むことで、人間的に成長しておいたほうがよいでしょう。
何から始めればいいの?
これから就職活動を行う大学生や高校生の場合は他業界の企業と同様に、一般選考で入社を目指すのが一番近道です。
いや、結局王道かい。ウラワザ的な方法無いの?
と思った方もいるかもしれませんが、ありません。
転職者に比べると比較的楽に楽器メーカーに入社できるでしょう。また規模の大きい企業にも入社できる可能性があります。
就活サイトに登録
楽器メーカーでも大企業であれば、リクナビやマイナビなどの就活サイトに求人広告を出せる資金力があります。
とりあえず登録しておきましょう。
また、既卒や就職浪人、大学中退している場合は、20代を専門に就職サポートしているハタラクティブにも登録しておくと良いでしょう。
楽器メーカーを徹底的に調べて紙に書き出す
楽器メーカーの数は限られています。ネットで調べて紙に書き出しましょう。ここでどれだけ調べられるかが勝負です。
TwitterやFacebookでも調べましょう。
するとよほど詳しい人でない限り、知らなかった企業が出てくるでしょう。
エントリーする
次に、調べた企業のWebサイトを確認します。求人情報を載せているところはそのページを確認して、手順に沿ってエントリーしましょう。
就活サイトに広告を掲載している企業は、そちらからエントリーします。
直接電話する
Webサイトを確認した際に「現在求人は募集しておりません」という記載があった場合、もしくは求人情報をWebサイトに掲載していない場合は直接電話して求人について確認しましょう。
繰り返しますが、直接電話することは熱意をアピールする点においては非常に有効です。
また学歴が高い、英語が話せるなどのアドバンテージがある場合はベターです。
就活生はエントリーして、面接を受けるという王道のやり方で楽器業界に就職するのがよいでしょう。
【追記】本気で楽器メーカーに転職したい人に向けて記事を書きました。
この記事を見ていただいている人の中には、本気で楽器メーカーに転職したいと悩んでいる人もいると思います。
そこで、実際に楽器メーカーに転職した私の経験から、未経験でも楽器メーカーに転職できる理由、転職するためにしなければならないことを詳しく説明しました。
本気で楽器メーカーへの転職を考えている人はぜひ読んで、実践してみてください。
きっと良いことが起こると思います。
転職・就活で有利になるスキル
楽器メーカーへの転職活動中に感じた、求められるスキルについて記載します。
コミュニケーション能力はもちろんのことですが、英語が重要です。
楽器業界は他業界と同様に、国内需要はすでに飽和しており、海外に楽器を輸出しなければ成長は難しいです。
ですから企業としても、英語が話せる人材・海外への抵抗が無い人材を欲しています。
実際にいくつかの楽器メーカーの面接では、英語のスキルについて問われました(試験含む)。
もし可能であればTOEIC等の試験を受けて、自分の英語スキルを可視化しておくのがよいでしょう。
また、英語スキル上達のためにオンライン英会話を利用するのもおすすめです。
私はレアジョブ英会話を利用しています。
100時間英会話を続けたので、その感想も参考にしてみてください。
まとめ
楽器メーカーにはデメリットもありますが、好きなことに携わりたいと考えている人にとっては魅力的な仕事であると言えます。
しかし、情熱だけで続けられるほど仕事は甘くはありません。
実際に人の入れ替わりは激しく、離職率はそれなりには高いです。
給与が高い仕事をして得たお金で、ギターやベースを購入し、楽しむという選択肢もあります。
実際に楽器業界に転職した私の意見としては、「本当に楽器業界へ行きたいのかよく考えたうえで就活・転職してほしい」です。
ただし、感じ方、生き方は人それぞれですので絶対に楽器業界で自分の夢を実現させたいんだ!という強い意志がある方は挑戦してみても良いのではないでしょうか。
私が楽器メーカーに転職するために使った転職エージェントはこちらです。
- マイナビエージェント
YAMAHA、ローランドなどの大手楽器メーカーに転職したい場合登録必須。
転職エージェントの方が非常に有能で頼りになりました。
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リクルートエージェント
大手から中小規模の楽器メーカーまで幅広く求人を取り扱っている印象。マイナビエージェントと組み合わせることで幅広く求人をカバーできる。
転職エージェントの親身な転職サポートが特徴。
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コメント
コスパ悪い利益率も低い成長性も期待出来ない楽器業界で中小じゃ、そりゃ給料は低いよ…
ギター作ってるとこなんかも、だいたい中小だし。