楽器店の民度をまじめに考察してみた。

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雑記

楽器店(ギターショップ)の民度について

 

こんにちは!とんでもブルース(@guitar_blues_)です。

 

あなたは楽器店に行った際に、嫌な思いをしたことがあるでしょうか。

楽器店は「民度が低い」と言われることがあります。

民度は以下のように定義されています。

民度(みんど、中:民度)とは特定の地域に住む人々の平均的な知的水準、教育水準、文化水準、行動様式などの成熟度の程度を指すとされる

(引用元:民度 - wikipedia

この場合の「民度」は常識の無さ、コミュニケーションの欠如という意味で用いられることが多いです。

当然きちんと礼節をわきまえている楽器店も数多く存在しますが、「民度が低い」楽器店が存在しているのもまた事実。

今回は、なぜ「民度が低い」楽器店が存在するのか。その理由についてまじめに考察してみましょう。

※今回は議論が複雑になることを避けるために、サウンドハウスをはじめとした楽器のネットショップについては言及せず、楽器店=実店舗と定義します。

楽器店の民度を構成する二つの要素

楽器店側だけに焦点を当てて、楽器店の民度を考察することはできません。

なぜならば楽器店と客は相互に作用しているからです。

楽器店に客(消費者)が来店しギターを購入することで経営が成り立っているので、楽器店と客の二者が楽器店全体の民度を構成していると言えます。

この二者は相互に作用しており、店側の民度が低くなると客の民度も低くなる傾向があります(逆も同様)。

以下で民度が低くなる原因について、楽器店と消費者それぞれの立場から考察します。

楽器店

楽器店の雰囲気=店長・店員

楽器店の民度・雰囲気はその店の店長や店員によって作られます。

彼らは楽器経験者である場合が多いです。

客よりも楽器についての情報(楽器を客よりも「上手く」弾けるという能力を含む)をより持っているという心理的優位性が、客と店員のパワーバランスを変更させます。

本来フラットであるはずの客と店員の力関係が、客<店員となってしまうのです。

楽器業界(特にギター・ベース)全体の所得の低さ

ギターやベースを売ってお金を儲けることは簡単ではありません。なぜならば楽器が娯楽品であるからです。

景気の変動であったり、トレンドの影響が売上として顕著に現れます。

また楽器業界全体に言えることですが基本的に給与が低いです。

好きなことに携わって仕事をしたいと考えている人が求人に対して応募するため、給与が低い場合でも常に一定の労働力を確保することができるのです。

上記は「やりがい搾取」とも言えるでしょう。

やりがい搾取(やりがいさくしゅ)とは、経営者が金銭による報酬の代わりに労働者に「やりがい」を強く意識させることにより、その労働力を不当に安く利用する行為をいう

(引用元:やりがい搾取 - Wikipedia

参考として主要楽器店(ギター・ベース販売)でのアルバイト時給と勤務期間等を記載します(いずれも2018年12月14日時点のもの)。

(例)東京都の最低賃金 985円

  • イシバシ楽器池袋店 990円~
  • イシバシ楽器新宿店 990円~
  • クロサワ楽器御茶ノ水店 990円~
  • イケベ楽器リボレ秋葉原店 1000円~(週5日以上勤務できる方、3か月以上勤務希望の方大歓迎)
  • 山野楽器 ヤマノミュージックサロン池袋 1010円~(土日を含む週5日勤務できる方・原則長期)

 

上記のような労働環境では、長期的には労働者は疲弊していきます。

すなわち「余裕」がなくなっていくということです。

エンドユーザーと直接関わりを持つB2Cの業種において、余裕がなくなるのはサービスの質の低下を招くという点において致命的でしょう。

客が楽器店に感じる不満は上記が原因で発生すると言えるでしょう。

消費者

次に「客(消費者)の質」について考えます。

ギター、ベースの価格帯は非常に幅広いです。安いものでは5000円から販売されていますし、高いものになると100万円を優に超えます。

しかし楽器全体でみた場合、ギター・ベースは非常に安い楽器に分類されます。

参考として、オーケストラで使われる楽器の平均的な価格を記載します。

ヴァイオリン:1万~3億円
ヴィオラ…10万~500万
チェロ…10万~3000万
コントラバス…3万~500万
フルート:1万~500万
オーボエ:20万~200万
クラリネット:1万~200万
ファゴット:30万~300万
サクソフォン:10万~130万
ホルン:20万~130万
トランペット:3万~70万
トロンボーン:7万~70万
テューバ:30万~150万
ハープ:30万~1400万
ティンパニ:50万~1200万(4個~5個セット)

(引用元:楽器の値段

つまり、演奏を始める上での敷居が非常に低い(=所得が低い場合でも始めることができる)ということです。

例えばピアノ(新品相場は50万~1000万円)売り場と比べてみればわかりますが、一般的にはギター売り場の方が多くの客がいるでしょう。

ギター人口は他の楽器人口に比べて圧倒的に多いので、当然悪質なクレーマーの数も比例して多くなります。したがって他の楽器と比べた場合、「消費者の質」の面においては良いとは言えません。

改善するためには

上記で述べた事を簡単にまとめると、疲弊した店員と悪質なクレーマーの存在が楽器店の民度を下げている構図となります。

ではこの問題を改善するためにはどうするべきでしょうか。

楽器業界の待遇改善

まず考えられるのは楽器業界全体の待遇を良くすることです。待遇を良くすることで店員の疲弊を緩和させることができます。

各楽器メーカーは、少しでも安く製品を消費者に届けようと絶えず企業努力をしています。

結果としてそのしわ寄せが労働者に及びます。つまり、人件費が極限まで削減されるのです。

人件費の過度な削減をやめ、正当な対価を支払うことが楽器業界の待遇改善の第一歩であると言えます。

また待遇を良くするために一番簡単な行為は、値段が高い(利益率が高い)ギターを数多く売ることです。

では高いギターを売る為には何が必要でしょうか。

所得の多い客です。

つまり楽器店の民度を上げたい(雰囲気を良くしたい)と考えるのであれば、消費者が高価なギターを購入できる経済力を持つ必要があるということです。

消費者のマインド改善

当然客はすこしでも安くギターを買いたいでしょう。

そのために、過度な値引きを要求するケースが見受けられます。

短期的には相場よりも安く購入することができるため、消費者の満足度は高いでしょう。

しかし長期的な視点で考えると、楽器業界全体の疲弊につながる行為です。消費者も、「製品には相応の対価が支払われるべきである」というマインドを持つことが重要です。

まとめ

民度が低い楽器店が存在する根本的な原因は、客(消費者)を巻き込んだ楽器業界における過度な価格競争であると言えます。

また楽器自体が自己顕示欲の塊であることから、楽器店(店員)と客の双方にエゴがあるのは当然です。問題はそのエゴを互いに許容できるかどうかです。

楽器店の民度と一概にいっても店と客の二つの要素が存在しています。

楽器店をより良い環境にするためには、店側の努力だけでなく消費者の努力も必要です。

お互いにギブアンドテイクの関係で、楽器業界を盛り上げていきましょう。

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