ブルースの底なし沼へようこそ
こんにちは!とんでもブルース(@guitar_blues_)です。
音楽にはBluesというジャンルがあります。
黒人音楽をルーツに持つブルースは海外では非常に根強い人気がありますが、日本国内ではあまりメジャーだとは言えないでしょう(しかし、日本のポップスもブルースが根底に流れている曲もあります)。
今回はブルースを聴きたいけれど、どこから聴き始めればいいかわからない、その良さがわからない。。という方に向けて、ブルースが大好きな私がおすすめする、ブルースの入門の仕方をご紹介したいと思います。
ようこそ、BLUESの底なし沼へ
ブルースが聴かれない理由
ブルースの入門の仕方をお話しする前に、ブルースが国内でメジャーにならない理由を考えてみます。
ブルースが聴かれない理由としては、その「分かりにくさ」が挙げられるでしょう。
それもそのはず、ブルースの歴史は19世紀後半までさかのぼります。
当時はギターの奏法も確立されておらず、それぞれのブルースマンが好きな弾き方で、ギターを爪弾き歌を歌っていました。
Charlie Patton-Rattlesnake Blues
唸るようなボーカルと卓越したギタープレイは、リスナーの心に訴えかけてくるものがあります。
しかし、一度や二度聴いただけでは中々その良さはわかりません。
100年前に黒人が歌うブルースの良さをすぐに理解できるのは至難の業でしょう。
ブルースというジャンル
ブルースと一口に言っても、その音楽ジャンルは時代と共に分岐して、今では様々なジャンルが存在しています。
今回はその詳細な説明は省略しますが、こちらの曲を聴いてみて下さい。
Robert Johnson- Crossroad
初めてこの曲を聴いた人は、驚くと思います。
「癖が凄い」 その一言に尽きますよね。
彼の名は Robert Johnson 。ブルース好きなら誰もが知っている、伝説のブルースマンです。
それでは次にこちらの曲を聴いてみてください。
Cream - Crossroads (Live)
凄く激しい演奏で、Robert Johnson の曲とは似ても似つかないですが、実は上記の二曲は同じ曲なのです。
Robert Johnsonの「Crossroad」と比較すると、曲の癖が薄くなり、普段ロックミュージックを聴いている人は聴きやすいと思います。
このようにCreamというバンドは古いブルースの曲を、当時のロックミュージックにアレンジして演奏し人気を博していました。
このCreamというトリオバンドでギターとボーカルを担当していたのが、エリッククラプトンです。
ブルースの伝道師、Eric Clapton
皆さんは、エリッククラプトンというギタリストをご存知でしょうか。
彼は日本では、Jeff Beck、Jimmy Pageと共に三大ギタリストと呼ばれており、楽器をプレイしている人であればほとんどの人が知っているでしょう。
彼は、美しいメロディセンスとヴォーカルで、多くのリスナーの人気を獲得してきました。
万人に受ける、美しいメロディです。
しかし、彼は耳障りの良いメロディで万人受けする曲を歌うだけではなく、もう一つの一面があります。
それは彼がブルースの伝道師であるという点です。
彼はギターを弾き始めてから一貫してブルースを歌ってきました。
そんな彼の楽曲にはブルースへの深い愛を感じることができます。
ブルースを聴くならクラプトンから
皆さんの中にはこのような話を聞いたことがあるかもしれません。
ブルースと言えばRobert Johnsonの「Crossroad」だよ。
この良さがわからないとブルース通とは言えないなぁ。
当時高校生だった私は、この言葉を鵜呑みにしてとりあえずRobert Johnsonの「Crossroad」を聴いてみることに。
当然、初めて触れるブルースはあまりにもアクが強く、その良さは理解できませんでした。
その後手に取ったのがこの二枚のクラプトンのアルバムでした。
こちらのアルバムを通して、ブルースという音楽の魅力が分かるようになりました。
初めてブルースを聴く、もしくはブルースを聴いてみたけれどその良さがわからなかったという人は、まずはクラプトンの曲を聴くことをお勧めします。
なぜクラプトンのブルースから入るべきなのか。その理由をご紹介します。
曲のわかりやすさ
何といっても、彼が歌うブルースはわかりやすいです。
アクが取れた、まろやかな白人のブルースだと言えるでしょう。
普段ロックミュージックを聴いている人であればすぐに受け入れられるはずです。
有名なブルース曲「Sweet home Chicago」を演奏しています。
心地よいシャッフルのリズムとクラプトンのボーカル、ペンタトニックスケールを基調にしたソロが素晴らしいですね。
一貫したブルースへの愛
彼はギタリストとしてデビューしてから現在まで、一貫してブルースを演奏してきました。
また、多くのオールドブルースのカバーもしています。
Creamでのエレキギターを使ったバンドカバーだけではなく、アコースティックギター一本での演奏も素晴らしいです。
上記の楽曲の原曲は、Big Bill Broonzyというシカゴのブルースマンです。
クラプトンの演奏に比べると、より荒々しさが増しており、いい意味で雑味があるプレイですね。
MTVアンプラグドという音楽番組で、クラプトンが「Hey Hey」をカバーしたことによって多くのリスナーがBig Bill Broonzyを知ることができた面もあったでしょう。
クラプトンが古いブルースの曲をカバーすることによって、現代のリスナーがブルースを聴くきっかけになっていると言えます。
また、2015年に惜しくもこの世を去ったブルースの王様B.B.Kingともたびたび共演しており、彼とB.B.Kingはまさに師弟関係にあったと言えるでしょう。
B.B.Kingの代表曲である「Rock Me Baby」を共に演奏しています。
B.B.Kingの圧巻のボーカルと、円熟のギタープレイはさすがブルースの王様といったところですね。
二人の共演アルバム(RIDING WITH THE KING)もリリースされています。
お互いのリスペクトが伝わってくる心地よいブルースです。
ドカッと腰を下ろしたB.B.Kingと、ハンドルを握るクラプトンの表情から彼のB.B.Kingへのリスペクトが伝わってきますね。
ブルースに慣れてきたら
クラプトンを聴き始めてしばらくたつと、ブルースという音楽にも慣れてくると思います。
クラプトンのブルースは素晴らしいですが、あくまで白人が演奏するブリティッシュロックブルースです。
(このようなことを言うとクラプトンのファンからのお叱りの声が飛んできそうですが・・・)
ブルースのルーツは黒人にあります。
そこで次に手を出すべきお勧めのブルースマンをご紹介します。
Albert King
B.B.King、Freddy Kingと並んで三大キングと称される彼のブルースは、チョーキングを多用する男気溢れるプレイスタイルです。
彼のプレイスタイルはクラプトンやスティービー・レイ・ヴォーンを始め、ブルースをプレイする多くのギタリストに影響を与えました。
Albert King - Blues Power
Muddy Waters
シカゴブルースの父と呼ばれる彼はブルースを語るうえでは欠かせません。
1950年代、当時はエレキギターを用いてバンド編成でブルースをプレイするのはあまりメジャーではない中で、バンドスタイルを普及させた功績は大きいです。
クラプトンもたびたびライブで彼の代表曲「Hoochie Coochie Man」を演奏しています。
Muddy Waters - Hoochie Coochie Man (Live)
Little Walter
ブルースにハーモニカは欠かせません。
シカゴブルースにおいて有名なハーモニカプレイヤーと言えばLittle Walterでしょう。
マディ・ウォーターズのバンドに参加していた事でも有名です。
Little Walter - My Babe
ブルースの魅力とは?
上記のブルースを聴いていくうちに、次第に彼らのブルースの魅力が分かってくると思います。
その後、Robert JohnsonやSon Houseなどの戦前ブルースと呼ばれる古い演奏を聴いてみると、今までとは違った感じを受けると思います。
Son House "Death Letter Blues"
ブルースには、取り繕った演奏ではない、素の魂の叫びが込められています。
現代において、そのようなヒリヒリするような衝動に触れられる音楽を聴くことができるのは、素直にありがたいことだと思います。
まとめ
今回はブルースの魅力、入門の仕方についてご紹介しました。
最初はクラプトンのブルースから聴き始め、その後時代をさかのぼっていくとスムーズにブルースの魅力を感じることができると思います。
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また、ギタリストであれば、ぜひブルースセッションにも参加してみてください。
あなたの音楽ライフがより素晴らしくなることを願っています!
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