ギタリストはFender,Gibson,Martinの呪縛から絶対に逃れられないという話

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雑記

ギターのスタンダードは?

 

こんにちは!とんでもブルース(@guitar_blues_)です。

 

ギタリストの皆さんはどのブランドのギターを弾いていますか。

どの分野にもスタンダード(基準)というものが存在します。それはエレキギターについて言えばFender・Gibsonで、アコースティックギターについて言えばMartinでしょう。

一般的にプレイヤーに演奏されている世界中のギターは、ほとんど上記の3ブランドを基準にしています。

他メーカーがいくらハイエンドモデルと銘打って、高級なギターを作ったとしても、Fender・Gibson・Martinを基準にしているという広義の意味においてはコピーモデルでしかないと言えます。

なぜ世界中のギタリストは、Fender・Gibson・Martin(もしくはそのコピーモデル)を使い続けるのか。なぜ世界中の楽器メーカーはFender・Gibson・Martinのコピーモデルを作り続けるのか。

今回は楽器メーカーに勤める筆者がそれらの理由について考察します。

主要三社の概要

ここではFender・Gibson・Martinを主要三社と定義し、それぞれの概要を簡単に説明します。
設立年、歴史、特徴、使用アーティスト、傘下のブランド、市場シェア等

Fender

レオ・フェンダーによって設立されたFenderの歴史は古く1947年までさかのぼります(前身は1938年に創業したフェンダー・ラジオ・サービスで、この頃はラジオ受信機などの修理を行っていた)。

ボディとネックを別々に製造した後、ボルトオンでジョイントするデタッチャブル・ネック方式を採用することで、世界で初めてソリッドのエレキギターを量産したメーカーとして知られます。

テレキャスター、ストラトキャスター、ジャズマスター、ジャガーなどの名器を発表するも1965年にCBS社に売却され、売り上げが低迷する暗黒時代を迎えます。その後1985年に再興し、今に至ります。

傘下のブランドとしては、スクワイヤー、グレッチ、ジャクソン、シャーベルなどがあります。

Gibson

こちらはフェンダーよりも歴史が古く、オーヴィル・ヘンリー・ギブソンが1894年にマンドリン製作を始めたのがきっかけです。その後1902年に現在のギブソン社が設立されています。

フェンダー社のライバルとして、レスポールやSG、フライングV、ES-335などの名器を生み出してきました。

傘下のブランドとしてはエピフォン、スタインバーガー、クレイマーなどがあります。

売り上げの低下と債務の負担により2018年5月に経営破綻しました(楽器製造などの事業は継続しつつ、経営の立て直しを図っています)。

Martin

主要三社の中で一番歴史が古く、1833年クリスチャン・フレデリック・マーティンがギター製作を始めたのがきっかけです。

マーティンは音楽の発展に合わせて、00(ダブルオー)、000(トリプルオー)、D(ドレッドノート)とボディのサイズが大きいアコギを発売していき、現在のアコギの基礎を築きました。

順調に売り上げを伸ばしていましたが、エレキギターの登場により業績が悪化します。

しかしその後のMTVのUnplugged(音楽番組)によりアコギブームが再燃し、売り上げが増加して今に至ります。

共通の強み

主要三社に共通して言えるのは、伝統に裏打ちされた圧倒的な信頼でしょう。

ギター黎明期から存在し、時代を作り上げてきた実績があります。

そして時代と共に存在することで、ギターの機能性、デザイン性についてのスタンダードを築き上げてきました。

また、多くのプロアーティストが使用することによって、ギター業界における正統なブランドであるという意識が醸成されます。

その他、企業の規模を活かした販売網の広さや莫大な広告費なども強みとして挙げられるでしょう。

主要三社の普及に貢献したギタリスト

上記で述べたように、圧倒的な伝統をもつ主要三社ですが、常に順風満帆であった訳ではありません。

時代の流れの中で、ギターが売れず経営が悪化したこともあります。

その中でブームを巻き起こし、主要三社のギターの普及、立て直しに貢献したギタリストをご紹介します。

Jimi Hendrix

Fender Stratcasterを救った男

現在は多くのギタリストの支持を集めるストラトキャスターですが、当時は人気が無く、生産中止になる可能性すらありました。

そのような状況を救ったのが彼です。彼の自由自在にストラトを操る姿を見て、プロアマ問わずストラトキャスターを使用するようになり、現在のような人気機種となったのです。

Eric Clapton

MTV UnpluggedでのMartin使用によるアコギブーム

当時エレキギターの台頭により、アコギの売り上げは低迷していました。

しかし、MTV Unplugged(アーティストによるアコースティックライブ)の放送により状況は一変します。

特にEric Claptonの出演、その後のアンプラグドアルバムのリリースはアコギブームに大きく貢献しました。

Slash

Gibson Les Paul人気再燃の立役者

彼はGuns N’ Rosesのギタリストです。

1980年代はヘヴィメタルやハードロックの人気により、レスポールよりも圧倒的にストラトキャスターが人気でした。

しかし彼のブルースを基調にしたワイルドなプレイによって、ギブソン レスポールの人気が再燃することとなりました。

 

主要三社に依存するメーカー、ユーザー

メーカーは当然製造したギターを売ることで経営が成り立っています。

ギターを購入するのはギタリストですから、彼らのニーズをくみ取って、ギターを企画・製造・販売していく必要があります。

つまり、何を作って売るかは購入側であるギタリストに依存してしまうということです。

ここではメーカー側、ギタリスト側の両面から主要三社に依存する理由を考えます。

メーカー側の理由

結論を言うと、結局コピーモデルが一番売れる。それに尽きます。

また、全く新しいギターを発売する場合、莫大なコストがかかります。

例えば、既存のギターとは異なる新しいデザインを考案し、それに応じた各パーツを特注で作らなければなりません。

ギターの構造によっては新しい工作機械を導入する必要もあるでしょう。加えて、新しいギターを消費者に浸透させるために、プロギタリストに広告塔になってもらうなど、より多くの広告費が必要になるかもしれません。

このように莫大なコストをかけて製造したギターであっても、絶対に売れる保証はないのです。

かなり規模が大きな楽器メーカーでないと、このような莫大な研究開発費を割く余裕はありません。

新しいギターを発売するというある種の賭けに出るよりは、無難に主要三社のコピーモデルを製造したほうが安定的な利益を上げられるのです。

ギタリスト側の理由

人は生まれたときから主要三社のギターを見たり聴いたりして育ちます。

ギターとはこういうものだという常識が刷り込まれているため、自分が見たことが無い形、デザインのギターと出会ったとしても違和感を感じるのです。

常識を変えるのは簡単ではありません。

そのためギターを購入する場合、多くの人は違和感が無い無難なデザインを選ぶことになります。

 

またギターを始める理由として、憧れのバンド、アーティストがいて、彼らのように弾きたいというものがあります。

憧れのバンド、アーティストも往々にして主要三社のギターもしくはそのコピーモデルを使っているので、ギターを始める初心者も自然と手に取ります。

このような連鎖で有名なメーカーはますます有名になり、企業規模も大きくなるのです。

また多くのプロが使っているという憧れ、安心感は初心者だけではなく、経験者にとっても大きな購買要因になります。

 

結局のところ、ギタリストは皆Fender・Gibson・Martinのギターが好きなのです。

まとめ

圧倒的な伝統と知名度を持つFender・Gibson・Martinの主要三社について、その人気について考察しました。

ギター黎明期から存在して、初期には既にスタンダード・完成されたギターを考案したという功績は非常に大きいです。

しかし、別の側面から考えると、ギターの存在、価値観を固定してしまい、ギターのマンネリ化を招いたとも言えます。

ギター業界のリーディングカンパニーとして、トラディショナルなモデルに加えて、常に革新的なギターを模索することでギタリストをワクワクさせてほしいですね。

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コメント

  1. なかじー より:

    随分とチープな考察ですね(笑)もっと楽器という物の存在意義をしっかり認識して書いて欲しいです。